2015年8月26日水曜日

NEWお産の3要素の提案。

一年以上前に書いた文章を思い出し、今の私の中の、お産感をミックスして出来るだけシンプルに表現するとこんな感じ。

以下

綿々と続く命。どんな時も変わることなく、生死・・“人がなくなる”、と“人が生まれる”、という瞬間が共存してきました。命って、当たり前だけど、素晴らしいこと。。

現在、お産方法は多岐にわたり、病院での人工的介助下のお産から、完全に家族のみの自宅分娩まで存在しています。

しかし、見回せば育児本やお産の呼吸法のバイブルまで、情報もあふれるばかり。
自分の体の感覚にまかせた“感じる”お産は、今、“考える”対象になってしまいました
勉強熱心なほど、考える→→本能の力は失われていく。。余分な情報に惑わされ、自分の心が真に求めるお産にたどりつく道のりは遠のいていくように感じています。

しかし、どんな形のお産でも、どこかに共通項があるはず。
だって、目的は、”赤ちゃんを産み育てる”ってことでしょうから。
登山のように、同じ山頂を、違う山道で攻略しようとしているだけなのでしょう。

産科分野、緊急時はもちろん西洋医学の恩恵を受けますが、生活の異常からの異常分娩をさけるためにも、基本的に薬も医療も必要としないような 妊娠生活をささえる“生活指導”が大事で、土台と思っています。

『出産できるから妊娠できる』という自然界の大前提を信じると、人ひとり生み出すパワーが必要な妊娠を経験できる人は、超健康な人、です。

薬をつかう治療ではなく、その人それぞれの生活(食事、習慣、家庭環境、運動習慣、仕事など)にあわせたオーダーメイドなアドバイス。その土地土地の気候にあわせた体つくり、を推奨していきます。

一昔前なら“おばあちゃんの知恵”として、家族が受け継いできた知恵です。

これから母になり、家族の健康を守っていく方たちが、妊娠生活で触れえた知恵や、体の感覚を取りもどしていくことは、赤ちゃんのみならず、夫、親、親戚にもよい影響を与える可能性があるのです。

≪新・分娩の要素≫
分娩に必要な3要素は“娩出力(子宮の収縮の力)”“娩出物(胎児・胎盤)”“産道”と言われています。ここで、新しい分娩の3要素を提案します。それは“心”“家族力”“呼吸”。

“心”
女はいつ母になるのでしょうか。私はお産こそ、一人の女性が、母になる大事な過程と考えています。娘が母になる時に、やっと、母の痛みや愛を奥底から理解していく。
陣痛を、ただ耐えるのか、または、赤ちゃんに会う為の道なのだ、と受け入れるのか。。痛みと快感は表裏一体で、その陣痛やお産を、どんな形で心はとらえているのか、でお産の質が変化します。
入院期間を経る事も、何かの準備期間となりえます。赤ちゃんからのギフトの期間と受け取れるのです。

この過程を経て、表情や雰囲気からも母になれたとき、産道も準備を始めているようです。

“家族力”
夫が到着すると有効な陣痛がはじまりあっという間にお産になったことを何度も経験しました。
人間も野生動物同様、危険な場所よりも安心できる場所でこそ、安産に向かえます。
母親が娘のお産の先輩としての声掛けできたり、夫のボディータッチやただ傍にいるという空間自体が、ここ一番の安心感を与えます。医療者はその空間を見守る、べきと思います。

“呼吸”
色んな呼吸法でのお産を目の当たりにし、経験の長い助産師さんや、フランスの骨盤底トレーニングの大家である産婦人科医のガスケ先生の教えからわかったことです。
 呼吸は母・赤ちゃんの自由にしてもらい、陣痛の時には長く息を吐きつづけること、が、より穏やかなお産になりえるのではないか、ということです。(しかし多くの場所で、この呼吸法はされていません。元々、実践している病院が少ないため、医療者自身が”知らない”ので、提案されていない方法です)。この要素は、これから革命が必要かもしれませんが。





個人差が非常に大きい分野であり、“300人のお産”、ではなく、“1人のお産が300家族分ある”、という感覚です。EVIDENCEをとるのは難しいですが、医療者も、教科書ではなく、家族の背景や妊婦の性格・生活を元にした、創造的助産、の姿勢が求められています。

個々の心地よい“自然なお産”の為には、多くのお産・健康情報の中で、本当に自分の体に必要なものを判断する為に、まずは自分の“自然”な感覚を思い出すことがスタートライン

女の中にぶれない軸があってこそ、多くの情報が生かされます。
本能的な気持ちよさを受け入れ、直観を研ぎ澄ますこと、体の底からの喜びにより、私たちのブレナイ軸は活性化されるというのが、経験からわかってきました。

女から母になり、家族の健康を守っていく事や、妊娠生活で体で学んだ知恵や感覚を取りもどしていく事自体で、赤ちゃん、夫、親、親戚にもよい影響を与える可能性があります。母の姿勢が家族の死生感にも大きな影響を与えます。だから、生と死は表裏一体。すぐ隣にある、影響を与え続けるもの。

医療者が“産むのを助ける=助産”という謙虚な姿勢にたちかえることで、家族丸ごと活き活きさせる火の元になるかも。。そんな、想いをもちつつ。

今いる場所から少しずつ、お助け出来たらいいな、と思っています。

そして、診療と並行で開催している、クマのおなご塾や、命の架け橋ワークショップでは、その想いのコアを、伝えていっています♪
他にお手伝いをしている、ワークショップ(女神のつどい、メタモルフォッジ、チネイザン等)は、本能的な気持ちよさや、女の軸を立て直す力をつけるため、絶対おすすめだーーって内容のものです!!どれもクマの笑顔印ついています!

以上!

**ここまで読んでくださってありがとうございます**あゆみ