徳之島以外の場所で研修をつんでから、島に戻ってきて数年たつ助産師さん2人と”島のお産”について話していた。
*島のお産あるある*
①バースプランに”自然分娩がしたい”と書く人は皆無である。
書いてあっても、一言”夫とお母さんが一緒にいる”、”こどもと一緒に”位なもので、とにか『理想の分娩』って決まりがないという。 決めつけがない分、自分の期待外れ、という現象も起こらないので、自然と、その分娩に起こることをありのまま受け入れるという状況になる。
とにかく、おおらか。島の空気感そのものだったりする。
②なぜ経産婦さんは母親学級出席率が悪い?
島では3-4人産むのがあたりまえだから、お腹が大きくても子どもたちを連れてよく歩く、よく動く。仕事も臨月まで働くので、妊婦だから安静に、なんて頭は初めからない。仕事もあり、子どもも小さいので母親学級への出席は難しいことが多い。
→ハイリスク妊婦も潜んでいるので、来ないからそのまま、という訳ではなく、来た方がい人には声掛けをするように調整をしているそうね。
③妊娠・分娩・子育ての本や情報が極端に少ない
都会では妊娠・出産前後の女性達は読むことが多いかもしれない、How to お産・子育て本。
ここには大きな本屋がないので、まず、目につく場所に見当たらない。
本屋があっても、今の島のように子育てや仕事に忙しい女性達には、ゆっくり読む時間がないかもですが。事前に”こういうのがお産・子育てです”という正しいっぽく書かれている情報がないので、本番勝負!その時の身体にまかせる、子宮収縮にまかせる、ということになる。
それが当たり前。
④驚くべき会陰の伸び。仰臥位でも傷なし。
初産婦さんでも、会陰はマシュマロのように柔らかく。分娩台の上に仰臥位になっても、まず、大きな会陰裂傷を起こす例に出会うことは少ない。
ストレスの少ない環境で、オキシトシンが十分に出ているのではないかな、と予想。
子宮収縮もとてもよく、会陰の伸びと相関しているよう。
都会で必要な、陣痛開始から子宮口全開大までの第1期と呼ばれる時間に、精神的・身体的なサポートはほぼ無用なんだそうだ(例えば、足湯、アロマ、マッサージetc.)。それをしなくても、分娩は自然に進んでいくし、家族がその役割を担える場合がおおいからだ。
無計画・無期待・あるがままありのまま。
島の時間そのままに。島のお産は、島のもの。
自然分娩をもとめなくても、”自然な分娩”
この場所に、安産・難産の定義なし。
やっぱり、この場所にマインドフルバーシングのクラスは必要ないんだなぁと実感。
仕事や現代社会の他の事のように、私たちは、生殖に関する事もコントロールしたいと思うだろうし、勉強するし、希望ももつのは仕方ないのかもしれない。
島にいると、妊娠もお産も、ああ本当に人生の流れの中の一つで、型をきめることができないんだなぁってことに気が付きます。
都会の真面目な女性たち~~~一度、何ももたずに島にいって、この空気に来たらわかるよ。
ストレスは、自分自身でつくった枠のせいで、より大きなものになっているんだ、ってことも分かるさ。
教科書を捨てて、身体とココロ、赤ちゃんのあるがまま、な姿勢。
ほんと、美しいですから。
今度は、島の妊婦さんにインタビューしてみようと思います(^.^)
☆徳之島レポ①はこちらから→http://ryukyubear.blogspot.jp/2016/12/at.html