産婦人科医たんけあゆみのブログへようこそ。 各地で開催している講座やお話会、ワークショップのことや、旅など、、大好きな事について発信しています。妊娠・出産と子育てのためのマインドフルネスプログラム”マインドフルバーシング”講師。 https://mindfulbirthingjp.wixsite.com/mindfulbirthingjapan Hello! I'm Ayumi. Obstetrician , Researcher and Educator living in Tokyo, Japan. I'm also Mindfulness teacher of MindfulBirthing (Mindfulness-based Childbirth and Parenting: MBCP)
2014年10月28日火曜日
病室から大爆笑!
今日は、勤務終了してから、どうしても会いたい方に会いに、前勤務先にいってきました。
9月。
私は精神的につらい状況で、ギリギリで。見た目は元気でも、全くもって魂枯渇していた時期だった。
その時期に入院されていた、ある3人衆。
Mさんは、胎児をかかえての大手術を受けるために九州から一人、数か月にわたる入院中。
Tさんは頸管長が短くてこれから数か月入院予定。
Yさんも切迫早産で入院中。
年齢も、状況も全く違う。でも疾患は、それぞれ油断をゆるさない状況だった。
ややもすれば、ストレスだらけの毎日。
毎日同じ場所で、いつも通りの食事をたべ、先生たちは”おなかはりませんか?”とか病気のことしか聞かない(忙しいと、さらにそんな状況になりがち。)。
頭は病気のことだらけ。体のことで入院したのに、心まで病んで・・っ
ただ、この3人は一味も二味も違っていた。
はじめは、全く話さなかった3人ですが、いつのまにか、ご飯時は、カーテンをフルオープンして、大きなお部屋で和気あいあい。
一人が子宮収縮増加して、早産に近くなって個室に移動したときも、後の二人は個室までご飯を食べにいって、大笑い。
個室の一人は、二人が来ていない時に、二人あてにお手紙(お菓子つき)を用意して感謝を伝える。
Tさんが一番週数が早かったのだけど、”私はMさんと、Yさんの分娩を絶対みとどけるのよ~!”と明るく言ってのけていた。
私も一緒になって、病棟で大笑いしていたら、いつの間にか、鬱々とした不安も悩みも、笑いと共に消え去ってしまって・・仲間!そのエネルギーってすごい。
この3人は、まさに、ココロからつながった仲間で親友で、お互いのココロを支えあっていた。
10月になり、私は勤務が変わってしまったけど、10月28日(Tさんの帝王切開の予定日)には、何がなんでも会いに行くてきめていた。
そして、今日。
Yさんは少し早い2週前に分娩。明るく帰宅したそうな。
Mさんは、予定よりも6日前に分娩していた。30日退院だそうで、ギリギリの再会。
見守るのよ!と言っていたTさんも、元気に育て中で、1000gを順調に超えたそうな。
3人で、9月の大笑いの続きをして、近況を報告。
”この期間の入院でよかったよね~先生も一緒に笑ってくれてありがとう~いてくれたから、どんなことがあっても明るく過ごせたんだよ~~!!”って。
(涙、涙)
写真のカレンダーは、Mさんの分娩予定日カウントダウンをするためにデコレーションしたスペシャルバージョン。
かわいい、お化けがくっついて、数字の一つ一つまで温かい魔法がかけられてた。
まだまだ、問題はあるけれど、心まで暗く病気になる必要なんて一つもない。
病院は出会いの場所でもある。多くの人の人生が交差する、ハブ空港のように。
実は、これから一生に続く出会いが得られ、何か面白い道に入っていくのかもしれない。
ほっこり、優しい、つながりが、これからも、続いていく。
患者・医者という関係よりも、人間らしく、もっと感動までも共にして、お互いに癒しあうことの出来る関係。
病室からの大笑いは、病院は治療、という枠を、解体する。
いつでも人は、人らしく。
また、今のフィールドで、実現を応援していきたいな、と思った。